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被害者救出へ向けては、たくさんの難しい問題があります。

これをすれば解決、という簡単な解決策はなく、いろんな手法を使い、組み合わせて解決に向かわなければならないと思います。

その沢山ある手法とその組み合わせの一つ一つが現実味のあるものになる為の土台として必要なのが「私たちの声」であって、

私はまさにその声が、しっかりとした土台となるため、今まで以上に強く歌い、訴えかけていく事が出来ればと思っています。

 

2015年12月、拉致問題啓発ストリートLIVEを1週間にわたって開催しました。

その中で、大阪の近鉄八尾駅前で開催した時の事ですが、その時たまたま、

私が音楽の仲間とよく行く韓国料理屋のおばさんが通りかかったんです。

いつもとっても気さくな方で、私がこういう活動をしている事を知って、とってもビックリされていたんですが、

とっても力強く「頑張ってね!」と言ってくださって、「署名書いてもらうね!」と、チラシと署名の紙を持って帰ってくださいました。

 

そして先日、そのお店にお食事に行ったときに、署名を書いて頂いた紙をくださいました。

「署名用紙、また持ってきてくれたらもっとみんなに書いてもらっておくから!」とも言ってくださって、本当に嬉しかったです。

 

これまで多くの皆様が沢山の声をあげ、そして署名活動に熱心に取り組んでおられ、

だからこそ、私もこうして拉致問題を知る事が出来、歌わせて頂いているのですが、

音楽で伝えさせて頂いている中、こうした出来事が本当に心から嬉しく思いました。

 

生まれた年代が違っていても、社会に与えられた役割や求める事が違っていても、暮らす場所が違っていても

それ以外にも、肌の色が違っていても、話す言葉が違っていても、信じるものが違っていても、

「共感しあえる想い」というのは必ず存在すると思いますし、そういう部分を心に大切に抱いて、多くの皆様と難しい問題を乗り越えて行くことが出来ればと改めて思います。

もちろん、「共感し合えない」事も存在すると思いますが、それは違いを認め合いながら乗り越えて行く事が大切だと思います。

 

私は、日本国の歴史を知り、私たちの祖先の温かい想いを沢山知る事が出来ました。また、そういう想いを通して、

世界の人々も同じように抱く温かい想いもたくさん知る事が出来ました。

もちろん、幾度かの戦争のあった時期は多くの方々が大変に辛く悲しい思いをされた事も事実でありますし、

平和に向かわなければならないという判断の中で、「悲しみの決断」というものが、新たな悲しみを生んだ事もあったと思います。

 

けれどその根本には、それぞれがそれぞれの歩みや心に咲く花を愛し、その愛をそれぞれに認め合う事で生まれる新しい愛を大切にしたい、という想いが、確実に存在していたと思っています。

 

その想いを実現するために多くの命が失われたことはとても悲しい事ではありますが、「自らの力で起つ」との願いで世界中で輝いたひとつひとつの命に、私達が意味を与え、価値あるものにし、戦争のない世界を必ず実現するという願いを抱き続けるという事が、今を生きる私たち一人ひとりの役割だと思っています。

 

 

今も世界では「平和」という言葉を当てはめることが出来ない出来事がたくさん起こっていますし、拉致被害者が今も祖国へ帰ることが出来ない状況も同じだと思います。

 

 

ちっぽけな私にできる事は「声」を挙げる事、「想い」を抱き続ける事、

声や想いという点を、挙げ、抱き続ける事でそれを線とし、多くの皆様と手を繋ぐことによってその線を四方八方に広げて行く事。

 

常に無力感を感じざるを得ない事ではありますが、こうした想い、イメージをしっかりと抱いて行く事が出来ればと思っています。

 

沢山の意識を持ち続ける中、拉致問題は私たちにとって、とても身近な問題です。

 

今まで以上に、私に出来る事を地道に続けて行く事が出来ればと思っています。

                                                                                            山口采希

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